バイバイ
「バイバイ」
君はいつものように別れの言葉を告げて、まるで明日も会えるかのようで、そのくせこれから何が起こるのかわかってるくせに笑顔で、私は何も言えなかった。
偉い人たちがいう世界が滅ぶとか正直どうでも良くて、それが君の犠牲でなんとかなるとか意味わからなくて、実は宇宙人なんだとか天気でも話すみたいに軽く君は言って、もうなにがなんだかわからなくて。
私がもっと大人だったら?
私にもっと勇気があれば?
なにかが変わったのかな。
「好き、だからさ」
気づけば口から言葉が漏れてて、でも独り言のように小さくて、それでも宇宙人の君は足を止めて振り返って。
「また明日も、会いたいなーなんて」
最後のほうはもう声にはなってなくて、視界が歪んできて、それが涙だってわかっていたけど、君を困らせたくなくて、私は笑って、そしたら君も笑ってて。
「そうだね、また明日」
神様がいるのなら、どうか明日がありますように。
2/1/2025, 9:02:23 PM