たそがれバイバイ、と手を振った。黄昏時が君の表情を隠す。君がどんな顔をしているか、わからないから、僕もどんな顔をすればいいかわからなかった。またね、とは言えなかった。さようなら、では二度と会えない気がした。だから、バイバイ、と小さな子どものようにつたなく手を振って、振り返るのをやめる。まだ君は、そこにいるんだろう。だけど、もう振り返ることはしなかった。ただ、君を思い出にしたかった。
10/1/2023, 1:56:20 PM