松乃かぐら

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気がつかないうちに、恋のキューピッドになっていたようだった。

まばゆいシャンデリアの光の下で照れ臭そうに微笑む新郎新婦に視線を向けつつ、目の前の高そうな肉を咀嚼する。

中学からの親友と大学時代の友人が結婚した。
私たちには共通の趣味があって、その繋がりで二人は知り合った。

だからなのだろう。さっき、ただでさえ忙しい二人なのに、わざわざ私のところに来て
「みきちゃんがいてくれたから、私たち今日すっごく幸せだよ。ありがとう」
なんて見たこともないような笑顔で言ってきた。

私はきちんと笑って、おめでとうと言えていただろうか。あまり自信がない。

このもやもやした気持ちは何なのだろう。
ただ分かることといえば、
君が私の人生にいたからこそ、
どうしようもなく嬉しくて、こんなにも苦しい。

テーマ【あなたがいたから】

6/20/2023, 2:34:31 PM