時雨 天

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自転車に乗って




子供の時に、長い坂道をどこまで自転車で上れるか、立ち漕ぎをして必死に上ったた記憶がある。
たった一人の友人と肩で息をつき、そして、笑っていた。
緩やかそうに見えるから、上りきることができると思っていたが、そうでもなかった、地獄だったのを覚えている。
半分くらいで、自転車から降りて、押して歩いた。
いつも創作の話をして、盛り上がっていた。私は小説書き、友人は絵描きだ。
坂道を上ると今度は下り。ゆっくり下りながら、まだまだ創作の話を続ける。
自転車に乗って、どこまでもいつまでも、続けていた会話。
それは、大人になった今でも続いている。いつまでも楽しい時間――

8/14/2023, 12:26:06 PM