NoName

Open App

寒さが身に染みて

寒さがさらに増してきた。
私は先月のある出来事を思い出す。
昼食を外食で済ませ、お腹を満たした帰路の中、1つのお菓子を分けて食べていた母子を見かけた。
こんなに寒い中、外でお菓子を食べるのはどうしてだろう?
チラッと見た私にはこんな疑問しか思い浮かばなかった。

だが、しばらくしてあの母子たちのいたのはフードバンクのすぐ傍だったことに気づいた。
私はある可能性に思い至った。
あの母子は空腹に耐えきれずに、フードバンクでもらった食料をすぐに開封して食べていたのではないか?
その可能性にたどり着いた私は強いショックを受けた。

フードバンクとは経済的な困窮の中で食べるものがなくて困っている方々に食料品を届ける組織のことだ。
私の家の近所にフードバンクがあることを知っていたが、利用したことはなく、ましてや寄付をしようなどとは考えたこともなかった。
寄付などという行為は金銭的に富める人がすることで、私とは無縁な行いなのだと思っていた。
あの母子を見た後、私はこのままの生き方でいいのだろうかと自問自答した。

2週間ほど考えて寄付をしようと決断した。
その決断から実際にフードバンクに寄付をしに行くという具体的な行動に移すのにはさらに1週間の時間が必要だった。
寄付する額が少額なので恐縮してしまっていたからだ。
このままでは何も始まらないと勇気を出して、一歩を踏み出して緊張しながらフードバンクを訪れると、フードバンクの方たちはとても丁寧に接してくれた。

フードバンクの方たちの仕事ぶりも間近で見ることができたのは私にとってとても良い経験だった。
経済的な困窮に長く苦しんできた 私にとって、自分や家族が幸せであればそれでいいと思っていた価値観は変動した。
社会全体がより良くならなければならないと考えるようになった。

フードバンクでは経済的な援助 以外にも寄付された食料品の配達などのボランティアを募っている。
経済的な援助がなかなかできない私はこのボランティアに応募してみようかと考えている。

もし、これを読んだくれたあなたが経済的に苦しんでいるのならば、すぐにフードバンクに連絡することを強くおすすめしたい。
苦しんでいる方たちが少しでも苦しまなくなる社会になるように微力ながら手伝いたい。

1/11/2025, 3:01:48 PM