蒼ノ歌

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『楽園』

少年が手に取った古文書に、それは書かれてあった



「楽園」
 日の光の音が聞こえた時
 鳥の囀りが棚びく時
 風が身体を巡る時
 暖かな手に招かれる

 人々が雲の上に夢見るそこは
 鮮やかな花々で溢れている
 
 楽園とは決して手の届かない場所ではない

 しかし行こうと思い行ける場所でもない

 
 月のかげが水面に映る時
 鳥の地鳴きが星屑に掬われる時
 全ての音が一つになった時
 涼やかな声に導かれる
 
 その時は
 突然としてやってくるかもしれない

 






♡200到達
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4/30/2024, 12:29:52 PM