君との距離
「お父さんもお母さんも私が嫌いなんだよ」
そう言って君は隣を歩く
「そんなことないよ」
そんな無責任なことは言えない
全ての親が
無条件に我が子を愛せるわけじゃないことは
子どもの僕でも知っている
だけど僕は幸福なことに
無条件に愛してくれる親の元に生まれた
だからきっと
君の辛さは理解しきれない
結局僕は
「そうなんだ」
その一言しか言えなかった
「僕で良かったら話はいくらでも聞くよ」
なんて
そんな在り来りなことしか言えなかった
「ありがとう」
そう笑う君の顔は凄く大人びていて
隣にいる君が酷く遠く感じた
12/2/2024, 3:43:28 AM