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初恋の日


それはあたたかい春の日のことだった。
いつも通りの代わり映えしない通学路を、ただ家が近いという理由だけで君と登校していた。
少しだけ先を歩く君がこちらを振り返って、花が咲くような笑顔で何かを言っていたことは覚えているけれど、内容まではもう忘れてしまった。
それでも、その笑顔に惹かれたことはよく覚えていた。少しだけ高鳴った心臓に、キラキラと輝き出した世界に、これが恋だとやっと気づいた。
初恋の日、それは優しい春の光が降り注ぐ、愛しくて少しだけ切ないそんな日だった。

5/7/2023, 2:02:45 PM