霧夜

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もう別れよう、貴女が幸せになる為に

忘れられそうにない、未練がましい僕と違って

貴方はきっと、僕を忘れてくれるから

---二作目---

「別れよう」

そう口にした時、お前はボクの頬を思いっ切り叩いた
何すんだ、なんて出かけた言葉は、歪められたあいつの表情によって音にならなかった

どうして、お前がそんな顔をするんだ
だって、僕と付き合ってても何もいい事は無いじゃないか
悩みが増えるだけだろう、苦労が増えるだけだろう
ボクはお前の事が大好きだけど、
ボクの存在で、お前の未来を奪いたくないんだよ、
僕への想いなんて、一時の思い違いだって忘れられるだろう
なのに、なのに

「どうして...」
「どうして、って...色々言いたいことはあるけれど、その前に一つ確かなことがある」
「?」
「...好きな人が泣いていて、苦しくならないやつなんて居ないでしょ?」
「は、」

あれ、ボクは

いつの間に泣いてたんだ?

--

「それと、何を勘違いしてるか知らないですけど、貴方から離れる気なんてサラサラないので」
「!?」
「いやいや言っても、離しませんからね?」((ニコッ
「ヒェッ」


#終わりにしよう
359作目

一周年記念まで...あと5日

7/15/2024, 11:47:24 AM