視界に映るのは青い空と熱のこもったアスファルト。そして陽炎。暑さで視界がぼやけているのかと時々不安になる。
けたたましい蝉の鳴き声が耳に入る。さらなる暑さを演出するこの音楽は、メロディや曲調を変えながら日が落ちるまで流れ続ける。
蝉の死骸が落ちている。横を通り過ぎようとすると、ジジジジっと鳴りながら少し暴れた。よくあることとはいえ毎度びっくりする。いい加減にしてほしい。
そういえばオルゴールもこんな感じだよな。鳴り終わったと思わせてから本当あと少しだけ鳴ってみせる。
まあ、蝉と一緒にされたくはないか。
脱いだ帽子をうちわ代わりにしながら、またひたすら歩く。
#君の奏でる音楽
8/12/2024, 5:43:28 PM