風に乗って
風に乗って、けぶる塩味と旨みのまじった香りが鼻にふわりと届く
会社の外階段から地上へ降り立てば
先ほどまで赤く染まったコンクリートは色をなくし濃い青
近くに食堂なんてあったっけ……
働かない頭で駐車場までなんとか辿り着き車に乗り込む
ガソリン代が急高騰
エアコンは勿体無いので、窓を開けながら
柔らかく冷たい風を受けて田舎道をひた走る
風に乗って、青草の香りがする
初夏の香りだ
昼間なら緑に光、牧草地は影に包まれ
少し不気味にすら感じるけど
香りは青々として爽やかそのもの
鼻歌を一つ
あしたも生きる
なんにもないけど
なんにもないから
歌声は、風に乗ってどこかへ届くだろうか
4/29/2026, 11:21:52 AM