「……は晴れ。『ところにより雨』や祝福の花びらが降るでしょう」
朝のニュースで天気予報をチェックするのが、仕度の最後。
テレビを消して玄関へと足早に移動し、靴を選んで履いて、迷わずに長いほうの、UVカットも兼ねた傘を手に取る。
まったく。いくら少子化対策待ったなしだからって国も、お狐様に頼むってのは、どうなのよ?
で、「いいよー」とばかりに安請け合いした……のかどうかはわからないけど。
お狐様はしっかり、国民への祝福を約束してくれた。
この「狐の嫁入り」という名の祝福。
無作為に、晴れの日の小雨とともに授けてくれるのだけれど、わかりやすく花びらを一緒に散らしてくれる、ということになっていて。
その祝福を受けたくない者は、傘を差せばいい──そして。
私は絶対に、その祝福を受けたくなかった。
テレビやSNSで見た、祝福を受けてしまった人たちの話によると、どうやら、たいして『好きじゃないのに』相手と結婚に至ってしまった、そんな事例もあるのだそうで。
そんなのって……それも出会いの一つ、だなんて私は、ちょっと怖くて割り切れない。
祝福を受けて、24時間のうちにあなたは、お狐様のご縁で、運命の人と出会えるでしょう──って?
喜びの声も多く、なーんて報道もあるけど、さ?
みんな、本当に……どうかしちゃってるよね?
<つづく>
……かどうかは今後のお題と気分次第!
3/26/2026, 9:57:21 AM