NoName...

Open App

「君と見た虹」

「皆さん、空を見上げてください!体育祭日和の晴天が広がっています!」

委員長の挨拶で盛りあがる生徒たち。全員が一つの空を見上げて声を上げていた。
あの人にちらりと視線をやってから空を見上げ、今は同じものを見て、同じ気持ちを抱いているんだなと嬉しくなった。

「あ、虹が出てる…」
空の端に消えてしまいそうな虹が浮かんでいた。
あの人は気づいているだろうか。再び視線を下ろしてみると、もう友達とのおしゃべりに夢中なようで。
ふふっと自然に笑いが溢れてしまいながらもまた空に視線を戻した。
「いつか2人で見上げられますように。」
そっと虹にお願いした。

2/22/2025, 3:17:11 PM