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姉と出かける日は、決まって雨予報なものだった。その予報が外れたことは殆どない。そして、その前後は晴れの予報だった。

そんなことが続いているから、お出かけのある週はずっと天気予報と睨めっこしていた。

もう少し雲が遅れれば、行く日は晴れてくれる。
今日中に雲が過ぎ去ってくれれば、明日は晴れている。

そんなことを考えながら布団に入っていた。




いつからか、「ああ、また雨だ」と諦めるようになった。心のどこかでは晴れて欲しいと願っていながらも、また雨に降られてしまうのかと行く気を少しだけ失う。


久しぶりに出かけるのにな。
明日に限って、雨。
明日だけは嫌だなぁ。


明日が雨だったら、予定を考え直さないといけない。
なるべく室内で、それから傘も忘れないようにしないといけない。
諦めて、どこへ行こうか考え始める。



そういう時、決まって姉が言う。

「もし明日晴れたらこっち行ってもいい?」
「晴れたらこれ見れるんだよね」
「晴れの日はここの景色がすごく綺麗に撮れるんだよ」
「晴れたらここ行って、ここ行って…雨降っちゃったらどうしようかなぁ。どこがいい?」

晴れたら、のことばかり。
それでもどこか、その考えに救われている。



それならば、こちらからは「もし、明日雨が降ったら」の意見を出そう。
雨は嫌いじゃない。むしろ好きな方だ。
対して姉は雨が嫌い。
そういう役割なのかもしれない。

「もし、明日晴れたら」
「もし、明日雨が降ったら」

そうやって2人で計画を立てる。
どっちになっても楽しめるように、久しぶりな2人だけの外出を満喫できるように、雨の日にしかない特典を探してみよう。


また今度、出かける予定がある。
今から、予報が出る日を楽しみにしている。
これで雨だったら、また「もしも」の話をしよう。

楽しめたなら、雨のお出かけも好きになる。
それを忘れないように、計画を立ててその日を待つ。

8/1/2023, 11:06:42 AM