一輪の花
その花は、日の上る丘の上に咲く。
たった一輪、その丘に咲いていた。
光を浴びて、大きく、美しく咲き誇っていた。
まるで、1人で輝く君のようだった。
日は沈み、丘を闇が包む。
たった一輪、その花は枯れていた。
闇に包まれて、孤独にその顔は下を向いていた。
まるで、枯れてしまった君の命のようだった。
だからこそ、君の隣に一輪の白百合を。
まだ、枯れない白百合を。
僕もまた、いつかは一輪の花のように枯れていく。
全ては、枯れていく。
この世界も、まだ枯れない君も、全て。
また土に還るだけだ。
そしていつかまた咲き誇る。
2/24/2025, 12:21:03 PM