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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第三十四話」

「犯人、どこだろ?」
志那は、建物内を探していました。
「幽霊とか出ませんでしょうね…?!」
梨々華は、少し怯えていました。
「ワッ!」
「キャッ!…カインド、脅かさないで下さる?」
すると、誰も居るはずのない遠くの方から、物音が聞こえて来ました。
「本当に居るの?幽霊が…」
スモークは、固まってしまいました。
「おにーちゃん、おねーちゃん。コッチコッチ!」
豪華な着物を来た小さな女の子が志那達の前に現れました。
「子供か?」
「あの子、道案内してくれるのかな?」
志那とカインドは、小さな女の子の方を見つめました。
「ねぇ、君は遊びに来たの?それとも、この家の子?」
「志那、呑気なのも大概にしろ。この家の子って…」
カインドは志那にツッコんでいると、小さな女の子は階段の方に向かって走って行きました。
「みんな、跡を追って見るぞ」
ロードは、小さな女の子を追跡し始めました。
「行くしか無いか…」
カインドは、観念したかの様でした。
「コッチ、コッチー!」
小さな女の子は、志那達を案内し始めました。
「階段って、結構急ですわね…」
「梨々華、大丈夫?」
スモークは、梨々華を気に掛けました。
「みんな、階段を上がったか?」
ロードは、人数確認をしていました。
「いちいち確認しなくても良いんじゃないか…?階段上がるくらいで…」
カインドは、ロードにツッコミました。
「コッチ、コッチー!」
「また、あの子だ」
小さな女の子は、階段まで案内すると消えましたが、別の上りの階段まで来ると現れました。
「あの子、幽霊よ…」
「着いて行って大丈夫かな…?」
梨々華とスモークは、体を震わせていました。
「犯人は、一向に現れ無いな…」
「あの子も、ケブバガミの一員かもな」
「カインド、冗談は止めてくれ…」
ロードは、冷や汗をかきました。

「コッチ、コッチー!」
「随分、登ったね…」
志那達は、大広間みたいな所に辿り着きました。
「位置的に言えば、ココは建物の中央部だな」
ロードは、辺りを見渡しました。
「そう言えば、女の子が消えてませんわよ?」
小さな女の子は、部屋の中央でピョンピョン跳ねていました。
「おにーちゃん、おねーちゃん。あそぼー」
小さな女の子がそう言うと、部屋の中央から眩しい閃光が放ちました。
「ま、眩しい…」
志那達は、眩しさのあまり目を塞いで再び開けた時には、建物は綺羅びやかな豪華な城に変貌していました。
「城?凄い豪華だね…」
スモークは、いきなり変わった世界に圧倒されていました。
「おとう、おかあ!」
小さな女の子は、両親らしき人物の所へ駆け寄りました。
「両親って、城の城主みたいな人だけど…」
志那は小さな女の子達の方を見ていると、外から大勢の人が騒ぐ声が聞こえて来ました。
「戦だ!」
「戦えー!」
「ココ、戦国時代かよ…」
カインドは、自分達はタイムスリップしたのではないと疑っていました。

「建物が変貌したのは良いのですが…まさか、ケブバガミの仕業では無いでしょうね?」
梨々華は、疑りを掛けていました。
「梨々華、建物が変貌する事自体、良くないよ?」
志那は、梨々華にツッコミました。
「でも、昔は豪華な建物だったんだね!」
スモークは、目を輝かせていました。
「そう言えば、犯人は何処へ行ったんだ?」
ロードは、鶴の一声を上げるように言いました。
「あ!そうだった!」
「犯人は、全く見かけませんでしたけど…」
「このお城には居ないんじゃない?」
志那と梨々華とスモークは、雑談をし始めました。
「撤退するにも、戦闘は避けられないな…」
カインドは、外を見ていました。

10/2/2022, 10:35:11 AM