手を繋ぐ。
頭を撫でる。
背中をさする。
ほっぺを包む。
どれだけ文化が違っても、話す言葉も、信じる神さまも違くても、誰もが知っている温もりだった。
不思議なことだった。
繋ぐ手の温度があたたかい。
この世界に、2人だけしか、いないのだ。
僕らは、同じ性別で、子どもを残すこともできない。
そんな中で、生きていこうと言うのか。
何を希望にすればいいのか。
谷の上から、かつて人が暮らしていたはずの、巨大廃墟となってしまった都市を眺める。
僕らふたりが残されたことに、なんの意味があるのだ。
これは何かの呪いなのか。
そう思うのに、僕らは、この世界で、息をしている。
握る手が強くなる。その手を、握り返す。
「なあ」
「……行こう」
「……うん」
目が合う。そして、微笑む。
手を繋いだまま廃墟にかけ出す。
生きる理由なんて、ない。
ただ、お互いがあまりにも大切で。
それだけでいいと、思えるだけなのだ。
1/6/2026, 1:07:31 PM