案内人。(普通に長いし、凄く変。変な話が好きな方におすすめです。)
完全に山の中に迷ってしまった。
今日はキャンプをして、楽しんで帰ろうとしてたのに友達とハグレてしまった。
それに電話も繋がらなくて、昼だったのが今は夜。
しかも雨が降ってるし。
私の心と反して、夜空はキラキラと光ってる。
いつ熊が出てきてもわからないような状態で、しかも人が住んでいるような雰囲気もない。
私は密かに、ポツンとした小屋などがあるのでは無いかと期待をしていた。
だけどその小屋もあるような感じも全く無い。
「何してんの」
私が諦めかけた時、後ろから男の子の声が聞こえてきた。
「…?君は…、ていうか、ここの山は…?」
その子も私のように雨に濡れて、服も透けてしまっている。
傘を貸してあげたい気持ちが沢山あるのだけど、生憎、私も傘が無い。
「〇〇山って言う所。…、お前、もしかして山の中で迷ってるのか…?」
男の子が私の顔を数秒眺めると、私に聞いてきた。
「君も、迷ってるんじゃないの…?」
私が男の子にそう問いかけると、男の子は私に手を差し伸ばしてくれた。
「はぁ…間抜けなお前と一緒にしないで。
俺が案内してあげる。お前一人じゃ帰れないでしょ。俺の手を絶対に離さないでね。」
「えっ…」
私は男の子に言われた通り、手を離さないように意識をしていた。
【????】
お母さん「こら早く起きなさい!!いつまで寝てるつもりなのよ!!ホントにだらしないわね!!」
「んぇ…………、え?」
気が付いたら部屋のベッドに横になってた。
私、何を見ていたの?
お母さん「寝ぼけてないで、早くご飯食べて、学校に行きなさい!!」
「私………、あの子に助けられた……??」
お母さん「何を言ってるの!」
「〇〇山で私、迷子になって、男の子に助けてもらったはず…そこから記憶が無い……。」
お母さん「ホントに変な事を言うわねぇ。〇〇山は60年前にもう無くなったって知ってるでしょう!?」
「でも!ホントに迷子になったんだって…!!!」
お母さん「貴方の夢の話は後にして!取り敢えず早く学校に行きなさい!!!」
結局、あの山はもう昔に無くなっていたらしい。
私が覚えていた男の子も、あの私が知ってた山も全てはただの夢だったのかもしれない。
3/24/2024, 11:14:37 AM