『楽園』
君の向こうに楽園が透けて見えるのは私が君を妬んでいるという証明
醜い自分が苦しかった
矛盾だらけの物差しは それを鵜呑みにする世の中は当たり前に憎くて
すぐ側にいた君が偶々象徴になっただけなのに 君も不憫だよね
でも 仕方ないこともある
例えばそう 私の手の中の石ころは君に渡せば宝石に変身する
同じ事をしても他者の視線の温度が違う
行動も知恵も塵になるから 愛と憎が同時に発生して真逆に走る
仕方ないのに己を否定する私のせいで 何処かが痛む
少なからず愛しているのだとその時に気付いて
呪いと懺悔を繰り返す
外の声ばかり聞きすぎて疑心暗鬼で下から睨みつけた
君は無垢に見つめ返してくるから腹立たしかった
私を辿るように苦しむ君にさえ 比べるように軽さを見出して
青い春を振り返れば今更の羞恥
穢れの染みた指先で触れるのを迷った
けれど
思えば そんな私もまた君から見れば楽園の住人みたいだ
誰も彼もないものねだり
5月なのに夏みたいな気温で 地球も悲鳴を上げてるし世も末だね
4/30/2024, 2:05:37 PM