【星が溢れる】
小さい頃、プラスチックで出来たカラフルで小さなビーズをたくさん集めていた。
図工の時間、自分の工作に必要な材料を各自で持ち寄り作品を作った。女子の中には自分で集めたであろうたくさんの種類も大きさも違うビーズを材料として持ってきていて、もちろん私も例外ではなかった。
「私のこのビーズとそのビーズ交換しよ!」
「このビーズはデカいから、ビーズ2
つだったらいいよー!」
そんな会話が教室の様々な所で行われていた。
もちろん工作に用いる事はなく、自分のコレクションとして大切に保管された。
いつの間にかクラスのみんなからもらったビーズ達は軽く30を超えていただろう。今思うとたった30個ほどのビーズなど、千円以下ほどで買えてしまう。だが子供の頃の自分にとっては、どんな宝物よりも大切だったのだ。自分で相手に交渉し、相手もまた自分と同じ様に大切にしているものを交換する。そうして集まったかけらは、星屑のようにきらめいて見えた。何に使う訳でもない小さなかけらを手ですくい、自分の手から星が溢れるのを楽しんだ。
そんな幼少期のを思い出を窓から見える夜景で思い出した気がする。
3/15/2024, 7:46:12 PM