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ヒナちゃん?
保育園の先生は不思議そうな顔をした。

物心がつく頃には、ヒナちゃんと毎日遊んでいた。
三輪車もままごともお砂遊びも、もちろんお昼寝も一緒。

不思議なことは、ヒナちゃんのママやパパのお迎えはいつも一番最後だった。
それにもっと不思議なことは、保育園の先生には、ヒナちゃんは見えないようだった。

ある日突然ママから「他のお友達とも遊んだ方がいいんじゃないかな」少し寂しそうな顔でそう言われた。

当時、素直な私は「わかった!」と答えその通り、他のお友達とも遊ぶようにした。

けれど、ヒナちゃんの話をするとバカにされたり、気持ち悪がられ嫌な気持ちがつのっていった。

いつしか保育園に行きたくない。そう泣くようになった。

ママは小学校やこの先の事も考え、私立の幼稚園に私を転園させた。それ以来、ヒナちゃんには一切会わなくなった。

いつしかそんな事も忘れ、大人になり結婚、妊娠をした。

重たくなったお腹をさすりながら、友だちからのLINEを返していると、ふと、LINEの「友だちかも」が気になった。

そこには見覚えの無い、デフォルトのアイコンで「ヒナ」とあった。

…私は開くことが出来ずに、お腹をさすり続けた。

題:開けないLINE

9/1/2024, 4:27:30 PM