青い鳥

Open App

「君に会いたくて」

 何気ない、気にしなければ雲のように彼方へ流れてしまうであろうあの瞬間。その仕草も、その笑顔も、いかに儚いものかと気づくのに、あまりにも時間をかけすぎてしまったようだ。
 失敗とか後悔とか、ありふれた言葉では言い表せない。ただ、愚かな自分を見つめることしかできない。そんな時をいくら過ごしただろう…

「君に会いたい…」

整然と立ち並ぶ墓石の前でポツリと呟いた。
三回目の冬だった。

1/19/2024, 10:23:29 AM