終花

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『声が枯れるまで』

声が枯れるまで貴女の名前を呼べば、貴女は私の隣に居てくれたのだろうか。
轟々と燃え盛る炎である私の隣は、少し寂しい。ガソリンである貴女が居てくれないと、私は、そうだ。見窄らしい。

声が枯れるまで貴女の名前を呼べば、呼んでいれば、貴女と私は一人になれたのに。
雌蕊と雌蕊では運命を共に出来ないのかしら。神様は意地悪ね。それとも、罪を犯した私に罰を与えたいの?

声が枯れるまで貴女の名前を叫んでいた。あの時の私は獣(けだもの)だった。

声が枯れるまで呪詛を唱えていた。まるで私が悪、みたいに貴女が言うから。

声が枯れるまで、呪いを。
声が枯れるまで、誓いを。
声が枯れるまで、愛を。

私は叫んでいたの。
愛を超える愛を叫んでいたのに。
なのに貴女は遠ざかっていくのね。
貴女は安らかに月へ登っていくのね。。
私を裏切るなんて最低ね。




地獄(こっち)までもう少しだったのに!!

10/22/2024, 12:01:07 AM