NoName

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それは、ごく当然の結果だった。

本当なら、なにも知らせないはずだった。
全てに蓋をして、全てを飲み込んで、全てを”嘘”に変えて。
そうじゃなきゃいけなかったんだ。

ーーーけど、気が変わった。
あいつには、知っていて欲しいと思ってしまった。

正直、知らなくていいことなんだと思う。
知らせたところで何かが変わるわけじゃないことも、理解されないことも、容易に想像ができたのに。
それでも、あいつにはーーー彼らには知る権利があると思ってしまった。
知ってもらいたいと俺自身が思ってしまった。

ーーーだから、ごめん。
今日が終わるこの時に、こんな伝え方をしてごめん。
きっと、知らなくてよかったんだろう。
変わることなんて、何もなかったんだろう。
解って欲しい、なんて、言えなかったのにーーー。

”それでも”を、願ってしまった。

例えばそれが最後になったとしても、どうか、ーーーーで欲しい。

”今日”が”あの日”だと気づいた時、俺はあいつに”さよなら”と言った気がした。



今日にさよなら

2/18/2023, 2:40:07 PM