東雲 陽

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過ぎ去った日々

 きっと、どこかにチェックポイントがあった。引き返せる場所もきっとあった。曲がり角も、回り道も休憩所も沢山あった。それでも、無視してここまで進んできた。取りこぼした物は多いはずで、だけど何一つ思い出せなかった。

 「過去」は振り返らない、と決めたのは随分と幼い時分だった。
 「今」が結果論でしかないと言い聞かせるようになったのと同時期だ。
 あの頃は多感で、捻くれていて──そのままつまらない人生を歩いている。
 近頃は前を見るのも止めてしまった。今は足元の変わらぬ景色を眺めながら長い道を歩いている。

 今はまだ過去を振り返る気にも、未来を夢見ようとも思わない。
いつか進み続ける道に意味を見いだせた時──或いは走馬灯で──イッキ気見してやろうと思う。

3/9/2026, 12:00:27 PM