悪い子

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『 鏡の中の自分』
子供のころ、一緒に居ても楽しくない。
そう突き放された言葉。
今でも鮮明に覚えている。
辛かった。
どこか裏があるような作り笑い。
目の奥が笑っていない自分の顔が大っ嫌いだった。
嫌われないように。
誰かの目障りにならないよう。
そう思い毎日のように笑顔の練習をした。
でも、誰かと一緒に過ごすこと。
顔を見せること。
全てが怖くなっていってしまった。
でも、鏡の自分は言ったんだ。
作り上げた笑顔はいつか壊れる。
だから、ありのままの自分で笑えるまでせめて自分を好きでいて。
そう私に言い聞かせた。
綺麗な振袖を着て、家を出る。
ついに成人式の日。
自然な笑顔を写真に残せるのは、大事な事だ。

11/4/2024, 11:11:27 AM