食べるかどうか悩んでいる間にも次々と家にあるお惣菜がレンジで温められていく。声を出して止めようか悩んでいる間にも処理されていく。待ってよ、今は考えが纏ってないのに。明日なら食べるかもしれないのに。温めた後で一口食べるかなんて訊かれたって心が動揺から帰ってきていない。残ってるのは食べたくないものばっかり。馬鹿、いっつもそう。言われる方も嫌だろうけど、される方も嫌。それを周りが聞いてテンションが下がるのを見るのも嫌。それで食欲なくして殆ど食べないで部屋に引き篭もって後になってからストレスで爆発するんだ。おまけに次の日の朝もむしゃくしゃしていて大抵調子が悪い。無口になるし顔も見たくない。買ってくるのは肉ばっかり。父親が買い物に付き添っている日は大抵気に入らないものばっかりで冷蔵庫が埋められる。気に入らない。お土産だと見せられたものでストレスが溜まる。テレビの相撲中継が喧しい。叫ぶし独り言ばかりだし咀嚼音もクシャミの音も全てが気にいらない。同じ空間にいられない。何を食べてもゴミみたいな価値しかない。風呂に入れるタイミングもなければ余力もない。もはやベッドの中で休日が過ぎ去るのを待つことしかできない。ベッドの中が唯一の防空壕なんだ。夢じゃない。現実だ。
題『夢が醒める前に』
3/20/2026, 6:52:30 PM