「キーッ…キーッ……」
そんな音を立てながら、
ブランコが揺れる。
この時間だけは、嫌なこと、楽しかったことすらも、全部忘れて、
自分だけがこの世界にいるのだと錯覚する。
この時間は、僕にとってなくてはならないもの。
、
、
、
いつも通り、ブランコに乗って疲れを癒していると、
「…ストン」
隣の空いているブランコに誰かが座ってきた。
おかしいな。
今の時間は夜中。
到底、人が来るような場所でも、時間でもない。
男か女かも分からないような、とても中性的な見た目をした人が隣にいる事実が不思議でたまらなかった。
【あの、こんな時間にどうしたんですか…?】
なんだか気になったので、声をかけてみた。
僕は元々、人見知りをするようなタイプではなかったので話しかけることに、特に抵抗はなかった。
〖……〗
やっと顔が見えたと思ったら、前髪で目元が隠れていて見えずらい。
今は夜中。尚更、顔ははっきりと見えるはずがなかった。
でも、女の子とも男の子とも言えないような顔立ちをしていることだけは、何故かはっきり分かった。
〖…多分、あなたと同じですよ。〗
やっと返答をくれた君は、そんな言葉だけを僕に渡し、ブランコをこぎ始めた。
「キーッ…キーッ……」
聞き慣れた音がする。
でも、いつもとなんだか違う雰囲気に、僕は戸惑っていた。
あ、そうだ。
ブランコを漕ごう。
何もかも、忘れてしまえばいい。
、
、
、
「キーッ…キーッ…キーッ」
、
、
、
気づけば朝になっていて、
隣でブランコを漕いでいたはずの人は、いなくなっていた。
【…帰ろ…。】
ー作者の話ー
うーん…。不思議なお話を目指してみたんだけど、向いてないかも(笑)
昨日は忙しくてお話書けなかったから今日頑張ろうと思ったんだけどな…
まぁ、失敗をして成長するものだよね!
ここまで読んでくれてありがとうございました(* ˊ꒳ˋ*)
また次回のお話で会いましょう。
またね!
2/1/2024, 1:53:11 PM