「私の日記帳」
1999年の夏に世界が終わるという予言があったから世界が終わる前に好きな人に告白をした、という日の日記を読み返していた。世界が終わってしまうのならやり残したことをやりきってしまってもどうせ無意味なのに、その頃の私はどうやら「なにかをなす」ということにこだわりを持っていたようだ。齢14、まだ未来があったはずなのに誰か知らない人の予言のせいで私の人生は終わりかけていた。最後の最後、どう転んだって痛くも痒くもないなんて思っていたのだろう。後悔はしたくない、という力強い文字が頭に染み付いて離れない。
結局世界は終わらなかった。私は告白をして振られ、中学を卒業するまでからかわれることになった。後悔していないかと言われれば、大切な青春を初心な悪戯によって失ったのだから、していないとは言えない。だから私は今部屋の片付けを終えて、人生最後の荷物を箱に詰めようとしているのだけれども。
8/26/2024, 11:13:54 AM