「どこにも行かないで」
変な時間に目が覚める。時刻は3時42分。
なんとなく右腕を掴まれた気がして、目を向けた。
不安そうな顔で自分の腕をぎゅっと掴む小さな機械。
急にどうしたんだろう。
「おちび、どうしたの?」「いかないで?」「?」「ずっといっちょがいいの。」「嫌な夢、見たの?」「ん……。」「みんな、いないだったの。」「おなまえよんでも、きてくれないの。」
「怖かったね。」「かなちいだった。いやだったの。」「でも、もう大丈夫。おちびはひとりじゃないだろ?」「ん。」「ね、ニンゲンしゃん。」「ん?」「ほんとに?」
「ボク、ほんとにかなちいじゃない?」「大丈夫だって。しばらくは自分も生きてるつもりだし、変な弟も、お父さんもいるから。」「ん……。」
「ほんとに!ほんとにいないいないちないでね?!」「わかってるよ。」「それじゃ、もう寝ようか。」「えー?!」「ねんねのまえに、だっこ、ちてー!」「はいはい。」
……あったかい。でも、不安、なんだよな。大丈夫だろうか……。そう思って顔を見る。おちびはあっという間に眠っていた。
とりあえず、一件落着、かな。
さて、自分も寝るか。
……おやすみ。
6/23/2025, 9:53:40 AM