冬至。

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          オメガバースに挑戦してみる。


いつか自分にも、運命の番が現れるんだろうか。
自分がΩと診断されてからずっと運命の相手を探している。
この世にただ1人のおれの相手。
出会ってしまったら電流が走ると言う。
そんな相手なんて本当にいるのだろうか。
襲われないように毎日飲む薬。
ヒートのたびに襲い来る耐え難い苦痛。
運命の相手と番の契約を結べばそれらから逃れられると言う。
相性のいいαを探して出会いの場にも何度も通った。
少しでも相性のいい人が現れても自分が男だからと何度も逃げられた。
いつか会えるかもと信じて、もう恋愛感情なんていいからこの現状から抜け出せるなら機械的でもいい、誰かと番になりたかった。
ヒートが来たら周りの人に迷惑を掛けてしまう。
自分も苦しいけど、そのせいで周りと疎遠になるのも悲しかった。
おれが意図しなくてもフェロモンは流れて出てαを刺激してしまう。
お互いに望んでなくてもそれは衝動的に起こってしまう。
もうそんなのに振り回されるのは嫌だった。
大して運命の相手なんて期待してない時に偶然出会ってしまったあいつ。
たまたま触れ合った瞬間に今までに感じた事ない程の電流が流れた。
これが噂の運命の相手と接触。
薬を飲んでても感じるαのフェロモン。
何とか平静を保って相手を見るとこの感覚に戸惑っている様だった。
「なんだこれ。きもちわりぃ」
自分に向けて言われてるようで胸が痛んだ。
そんな気持ちを奥に押し込んで歩み寄る。
「突然だけどおれの番になってくれない?」
「あんたΩかよ!!男のΩとか冗談じゃない!!」
その一言にムカついた。
こっちがどんだけ運命の番を探してたと思ってるんだ!!!
こんな散々な言われ方をするなんて
「こっちだって冗談じゃない!!」
「うわ…近付いてくるなよ。こっちはまだα認定されてばっかでどうしたらいいか悩んでるのに」
「だったらつべこべ言わずおれと契約するといい」
「冗談じゃない。俺は可愛いΩの子と付き合えるって聞いて…」
「おれだって充分可愛いだろうが」
「ふざけんな。お前は男だろーが!!」
「男だってなんだってお前はおれのフェロモンに反応している!!!」
あまりにもムカついて襟元を大きく開けて漏れ出して堪らないフェロモンを撒き散らす。
「何やってんだよ。何だこれ気持ち悪りぃ」
「お前さっきから気持ち悪りぃとかふざけんな。おれに反応して自律神経乱れまくってるからそう感じるんだよ」
「お前もうこっち来んな。クラクラするだろ」
「だからおれとお前は運命の番なんだって。証拠に電流も走ってるだろーが」
「男のΩとか俺はいやだ」
やっと見つけたのにこんな言われ方!!
心底腹が立った。
やっと見つけたのに!!
逃すもんか!!!
顔を近付けて無理矢理くちびるを合わせた。
目の前の男は驚いたようにおれを引き離した。
「そんなに嫌がっても身体は反応してる!!それが証拠だ」
散々文句は言うけど顔は紅潮し、おれに反応して硬くなっているそれを睨みつけながら言い放つ。
「お前は絶対おれに堕ちる」
こっちから突き飛ばしてその場を離れた。

堕ちてくれなきゃ困るんだ。
こんなにこんなに待っていたのに。
本当はあんなに拒絶されて泣きたい気持ちでいっぱいだった。
運命の番に会えたら普通に恋をしてたくさんたくさん尽くしたい、それだけなのに。
なのになんでこんなに上手くいかない。


                 🐟(夢見る心)

4/17/2026, 9:43:57 AM