劣等感
私には縁がないと思っていたものに乗るようになってから、ひと月が経った。
慣れない操作と、周りからの視線が、私の心を強張らせる。元々人と接することに苦痛を感じるタイプで、できる限り人を避けてきた。でもこの体になってからは、そうはいかない。
取りたいものがあるとき、この体じゃ届かない。ならば周りの人に頼るしかなくて、近くにいた人に伝えようとするけど、私の不明瞭な声じゃなかなか伝わらない。そんなときに、なぜこんな性格で、声で生まれてきたんだろう、なぜこんな体になってしまったんだろうと劣等感を感じてしまう。
それが日常になって、心に深い傷をつくり、治りにくいものになっていった。
7/13/2024, 11:07:09 AM