夜宵

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とても暗い道を歩いていた。

そこは山なのか、はたまたどこかの道路なのか、異世界なのか。

それは今はもう分からないし、思い出せない。

その時の私は酷く落ち込んでいて、希望を無くしていた。

暗く、前も後ろも分からない道を歩く。

1歩、1歩、また1歩

進んでいるかは分からないが、確かに歩いている。

だがしかし、一向に光は見えない。

光もなく、周りも見えないこの道で、私は確かに息をし、歩いている。

あるかも分からない光を探して、

無くしたはずの希望を持って。

まだ心のどこかにある希望が消えさらぬように。

落ち込む気を笑顔で繕い、歩を進める。

1歩、1歩、また1歩

絶望とも言えそうなこの暗闇の中

私は前を向いた。

信じ続ければきっと報われるはずだ。


よく見ればそこは高台の上だった。

先程までの暗闇とは違い、とても明るく、そして暖かい光が目に飛び込む。


ただ覚えてるいるのはあの街中が異様な程眩しく、綺麗であったことだけだった。



7/8/2023, 8:30:22 PM