村雨 / shamrock

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[※ggg(?)二次創作/成代/g謎×JG(+α)/BLD?]

《諸注意》
※最早別人(キャラ崩壊)/序盤数秒だけ登場した同僚成主/尻切れトンボ/リハビリ品/解像度激荒/……沼から這い上がれませんタスケテクダサイ(切実)


《簡易(になってない)設定》
▷主人公の右隣に座ってるアイツ(成代/若干年上)
平成令和メンタルで昭和にぶち込まれた系成主(転生自覚したのは戦後/戦時中はFPSみたいな一人称視点系ゲームの感覚だったのでいろんな意味で地に足がついていない状態だった)/外見はほぼ映画通り、目だけ切れ長で薄墨色(作画はJG寄り)/基本無表情、対他人には別人レベルで化けの皮被るけど身内には若干表情差分が増える程度(戦前はもう少し表情豊かだった)/中立・中庸属性の善人/左隣の人に対しての感情がいろいろとっ散らかってる(※無表情・未出力)/『お前……本当、さァ……(オタク特有の感情+多様性仕様の倫理観とか諸々による情緒=クソデカ溜め息)』みたいなヤツ/家系は多分特殊、親のことはよく分からないまま独りで惰性で生きてる/"鰯の頭"はハッキリ言って某人物を除いて嫌いだし『都合の良い洗脳しやがって、この【自主規制】』とかずっと思ってた、というか今も思ってる
【作中での名前:伏見隆幸】


▷成主の左隣の主人公(年下)
右隣の人が度々気にかけてくれるおかげで映画本編よりは肩の力も抜けて呼吸がしやすい、というか隣にいるとめちゃくちゃ気が楽になる(からか成主に対してのみ心做しか甘ったれ仕様かもしれない)/隣の同僚がスーツを着こなしてて煙草を吸う姿が様になってて尚且つ気遣いできる万能型()なので内心情緒狂いがち(※限界化してるとも言える) /『アンタ優し過ぎてホント駄目(※特別意訳:一人が怖くなるから止めて欲しい)』/同僚がたまに恐ろしく目の奥が暗く冷え切るときがあってしんどくなってる/クソデカ感情水木さん(キャラ崩壊)


※BLD(保険/直接描写無/推定CP:主×水)






※ここまでで嫌な予感がしたら[次の投稿]をタップ推奨



[ひとりきり]



▽作業BGM
『ナツノセ / 本当だよ(covered by Synthesizer V Feng Yi)』
『傘村トータ / 垂直落下(covered by Synthesizer V Feng Yi × Yuma)』


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 ────『勇気を持って、この世にさよならを』。


 意識が沈むまでの僅かな間、その文言が頭に浮かんだ。
 なるほど、確かに。今まさに命を投げ捨てた訳だが、自分は確かに"勇気を持って"自分自身の人生に幕を引いた。例え、誰にも見つけて貰えずに腐り落ちたとしても、"死ぬこと"は三流以下の行いだったとしても、それよりも許せないことが確かにあったから。

 だからこれで良い。これがきっと最良の選択だった。
 ……あァ、でも。

 最期にあの綺麗な青い瞳を、もう一度だけ見たかったなァ、なんて、────。



 ※ ※ ※



 『転生したら◯◯になった件』なんて言うのは最早親の顔と同じくらい見た文章だろう。SNSは勿論だが『なろう系』なんてジャンルで爆発的に増えたような気もする。
 だがまァ、あえて自分のことを上記のように書くとしたら『転生したらゲ謎(+α)のオフィスシーンに数秒映り込んだモブになっていた件』になるだろうか。何故『+α』かと言われれば、本編よりも前──具体的に言うと"昭和13年頃"に当たる時期にとんでもない人物達が居たからだ。多分年号だけでピンと来る人間は一定数いると思うがそれについては割愛する。とりあえず平成・令和育ちのオタク()が昭和()にぶち込まれたということだけ理解して貰えれば良い。

 はっきり言って昭和のことなんざほとんど知らない。
 時々テレビ番組で『昭和名曲TOP30』だとか、『昭和平成令和で比べてみました』とか、"昭和文化に魅了された令和の少年少女たち"だとか、『戦後80年』の特集だとか、学校で日本史の授業中に生々しい資料映像を見たりだとか、そう言った物や創作物で知った以上の知識は持っていなかった。あとは『昭和レトロ』なんて言われてアデリアのグラスに注がれたクリームソーダやら、古めかしい喫茶店なんかが"映える"と流行っていた記憶しかない。情報の偏りが酷過ぎる。
 さてそんな人間が昭和に転生していると自覚したのは何と終戦後に『帝国血液銀行』へ入社したときだ。もっと正確に言うなら"『左隣の男』を認識したとき"だったりする。──は? 我ながら意味が分からんが。この脳味噌トンチキ挙動し過ぎだろ巫山戯てんのか??? さっさとデバッグしろやクソッタレ。……まァ、つまり"そういうこと(前世での推しキャラだった)"である。閑話休題。

 じゃあ戦時中は?と聞かれれば、簡単に言えば一人称視点でZ指定ゲームをプレイしている感覚で、完全に地に足が着いていない状態だった。けれど一度でも会話をした相手は覚えているのか、ひたすら墓穴を掘っては手を合わせて来世の幸福を祈ってやったりしているのだから、自分が"人で無し"なんだかそうでないんだか最早分からなくなってしまった。ただ『殺すことは駄目』で『死ぬのはもっと駄目』だという強い思いはずっと頭に有って、敵兵と遭遇した際は"致命傷には至らないものの撤退せざるを得ない箇所"を撃ち抜くことが多かった。今にして思えば、よくもまァ戦場のど真ん中でそんな器用()なことをやってのけたなァなどと我ながらドン引きしていたりするのだが。ちなみにその技術を叩き込んだのは今はどこにいるかも、何なら生きているかも分からない、"地方人"と"鰯の頭"共に呼ばれていた人達である。15、6の子供にスリの手口やら女の口説き方やらまで面白がって教えるとか何やってんだろうなあの人ら。そしてそれをクソ真面目に聞いて覚えた十数年前の自分は、はっきり言って頭がおかしかったと思う。当時連絡係としてその施設に出入りしていた中尉が『子供に何を教えているんだ!?』って困惑していたくらいだからやっぱりどこかイカれていたし、何なら救いようが無いほどに自己肯定感やらが地を這っていた。何もかも全部諦めてどうでも良くなっていたとも言う。……そんな謎技能のおかげで今の仕事は幾分か楽だけれど。

 ────まァ、『俺』の話なんて心底どうでも良いわな。



 では『左隣の同僚』が例の因習村へ出張に行ったとき『俺』は果たして何をしていたのか?
 ──答え、なァんにもしていない。
 何せ映画本編序盤で数秒映り込んだ『モブ』でしかないので、あの男──驚くことに『俺』の数個下だった──にしてやれることなんて何も無かった。

 ……『本編前』? そりゃあそれなりに交流はしていたと言うか、二次創作でよく書かれていたような噂やら展開やらが本当に起こるとは思っていなくて正直絶句した。あまりに見ていられなくて同席時は横槍を入れたし、そうでないときはできる範囲でメンタルケアをしたこともあった。……まァ、その流れで"そういう関係"になってしまったのは少し後悔している。自覚しそうになる感情を毎回縊り殺しては、アイツの"丁寧な自傷行為"に手を貸している事実にいつも吐き気が込み上げてくる。手首を剃刀で斬り付けるのとどっちが健全だろうか? 俺にはどちらも不健全に思えて、痛々しくて、苦しくなる。傍から見れば爛れているとしか言えない状態なのに、その癖年下振ってこちらに甘ったれる様子を見せる度に頭を抱えたくなったことも一度や二度じゃない。
 『お前どういうつもりなんだ』と何度問い詰めようと思ったか分からない。


 ただ、一つだけ言えるとすれば────どんな関係だろうと『俺』の存在は、アイツにとって何の影響にも"なり得はしない"って話だ。
 昔から"そういう質"だったから、今はもう何も思わない。どうせ最後は独りになるのだから、期待するだけ無駄だ。
 でもどうせ死ぬのなら、誰かの────大切な"誰か"の糧になって終わりたいと少しだけ思っている。



 ※ ※ ※



 会社に復帰したとき、ふと違和感を覚えて右隣に視線を向けると、同僚の机には何も置かれていなかった。元から整理整頓されていていつも綺麗ではあったが、まるで最初から誰も使っていなかったかのように空っぽだった。────嫌な予感が、する。
 騒つく胸をさり気なく抑えながら、近くの奴に彼の所在を聞いた。

 「あの、伏見さんは……?」
 「あ? ……あぁ、そう言えばお前知らないのか」


 ────伏見なら、亡くなったぞ。







 ※ ※ ※



 同僚──伏見さんは1週間前に遺体が見つかったそうだ。身体は何箇所も刺されていた上に左腕が斬り落とされた形跡があり、右目付近の骨が陥没していたらしい。また発見されたときの腐敗具合から死亡時期は半月ほど前だと言う。……つまり伏見さんは俺の見舞い帰りに、誰かに襲われたということだ。

 既に葬儀は終わっており遺骨は無縁仏として寺に引き取られたようだった。それがどこの寺なのか、俺は知らない。ただ聞いた話、左腕は未だ見つかっていないそうだ。……? "ひだりうで"……?

 「ぁ……」



 『──仕方ねェなァ、これやるよ』
 『何ですかこれ。……人の形に切った紙?』
 『所謂"人形(ヒトガタ)"ってヤツだよ。本気で何もかも嫌になったらソイツを持って、縁切りたいもののことを強く念じながら『もう嫌だ』って口にすれば良い。そうすりゃ"コトワリ様"って神様がスッパリ縁を斬ってくれるって話だ』
 『ははっ、神様って。伏見さん、そう言う眉唾なものを信じてる口ですか?』
 『さてね。まァ、御守り代わりに持っていても損は無いだろう』
 『それはそうですけど……ところで、"コレ"無しだとどうなるんですかね』
 『……聞いた話じゃ、自分の身体の一部が持って行かれるらしいぞ。一番多いのは"左腕"だとか』
 『えっ。…………そこまでして縁を斬りたいものですか』
 『うーん……時と場合に依るんじゃねェかな。限界まで追い詰められたら、そりゃあ縁を切りたいと思うだろうし』
 『……伏見さんも、縁を切りたいと……思うんですか……?』
 『俺? そうだなァ……────』



 「あ、ぁあ、ッ……」



 『──切るだろうな。だって俺の問題に巻き込みたくねェもん。特に身内には、俺のことなんか忘れて幸せになって貰いたいよ』





[ひとりきり]



 ────貴方は"僕"を巻き込まないために、"独り"で逝ってしまったんですか。





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か、解像度ォ……(頭抱え)(定期)
勢いで書いた結果BLDみたいな話になりましたお目汚しすみません(ノンブレス)

▽成主
深夜廻のユイの父親と同じことをした(護るために縁を切った/ある意味最終盤のユイ枠)

▽水木さん
それでも手を離して欲しくなかった(強いて言うなら中盤辺りのハル枠)


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9/12/2025, 9:41:12 AM