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2/22「太陽のような」

 遥か遠く、太陽のような恒星が見つかった。
 その星系の中に、地球のような星が見つかった。
 そしてその星に、人間のような生き物が見つかった。
 しかし円滑な交渉が行われることはなく、我々はその生き物を駆逐し、代わりに居住した。
 やがて、太陽のような星は、その「目」を開いた。
 我々は一瞬で滅び去った。
 太陽のような星は、太陽ではなかった。宇宙の初めから存在する、大いなる何かだったのだ。

(所要時間:9分)



2/21「0からの」

 0からの引き算って訳わからなくない? 0から引くって何? 0は0じゃん? ないとこからさらに引くって何? おかしくない?
 と力説したら、「自然数と共にしか生きられない女」の称号をもらった。
 でもよく考えると0って自然数じゃなくない?
 そもそも0って何者? ないのに存在するの? 0からの足し算とかもよく考えると訳わからなくない?
 ああもう、算数って謎すぎる…。

(所要時間:7分)



2/20「同情」

「どうした、溜め息なんかついて」
「彼女に振られたんだ…」
「…同情するよ」
「できるわけないだろう!? お前に俺の何が解るって言うんだ!」
「そうか…。ここだけの話、実はおれは異世界転生者なんだ」
「え?」
「前の世界では勇者として召喚され、魔王との戦いに駆り出され、負けて帰ったら令嬢に婚約破棄され、失意のあまり川に身を投げてこの世界に転生したんだ…」
「…同情するよ」
「できるわけないだろう!?」

(所要時間:6分)



2/19「枯葉」

「すまない…俺はもう…」
「あなたも、わたしを置いて行くの…?」
「ああ…。楽しかったよ、君といられた日々…」
「そんな事を言わないで」
「さようなら…」
「待って…!」
 ひらり、と枯葉が枝から離れ、地面に落ちた。信号が青になり、それは人の群れに踏まれて粉々に散った。

(所要時間:6分)

2/22/2024, 12:31:14 PM