風に乗って
幼い頃に突風が小さな私の手から風船を攫っていった。あの頃の私はそれが悲しくて悔しくて、ずっと泣いていた。
大人になって好きな人ができて今度は離さないようにと、しっかり手を握っていたけど風はまた吹いて、私から攫っていった。
悲しかったけれど、涙は出なかった。
あの頃、風に乗って行った風船はどこへ行ったんだろう?あの後どうなったんだろう?
今となっては些細なことに感じる。
好きな人を風に攫われても、些細なこと。風に乗って私の感情も少しずつ攫われていった。
4/29/2026, 10:15:52 AM