私の名前は芽良
「ねぇ好きな人できた!」
普段恋愛に興味のない友達の真木がそう言ってきた。
「え!?まじ!、急にどしたの?今まで恋愛に興味ないって言ってたじゃん」
「いやぁ、なんか前からちょっと気になってはいたんだけど、その人とのこと最近めっちゃ見つめるようになっちゃってさ、」
「えー、なんかいいね」
恋愛に興味がなかった友達に好きな人ができて私は少し嬉しくなった。
「どんな人?」
「えっとねースポーツ万能で、めっちゃ人に優しくて、可愛くて、でも時々かっこいい姿を見せる人!」
「え、できてる男やん」
「でしょでしょ!付き合いたいなぁ~」
私にも好きな人がいるけど、友達ともしかしたら同じ人かもしれないと思い、言うのをやめた。
「芽良はさ、好きな人いないの?」
「え、えぇ〜、いないかな!」
まさか私にこんな質問をしてくるとは思っていなかったので、いないと嘘をついた
「そっかぁ、じゃあ頑張ってね!」
「あ、てかさ真木の好きな人の名前なに?!」
もしかしたら違うかもしれないと思い、私は真木の好きな人の名前を聞いた。
「え、同じクラスのかなたくん!」
「あー、かっこいいよね、かなた」
私の好きな人とは違う人で少し安心したが、そのかなたとは幼稚園からの幼馴じみでつい呼び捨てで読んでしまった。
「えっ、、、?かなた?えもしかして付き合ってる?」
「ううん!違うよ!幼稚園からの幼馴染でつい呼び捨てしちゃった、ごめんね」
「なーんだそゆことね!安心安心!」
真木は自分の今の気持ちを正直に言えない性格だ。
そのため、今私が呼び捨てしたこともきっと嫉妬しているんだろう。
「ほんとごめん」
「なぁに!全然謝ることないよ!ありがとう!」
なんてことを話しながら教室を出て下駄箱へ向かう。
「あ!かなたくんだ、かっこいい〜」
かなたは放課後の部活でハンドボールをしている。
「なんか、いいね。好きな人がいるの」
「作ればいいじゃん!」
「いや、正直に言うと、私にもいるよ。好きな人」
真木が固まった。
「え、…マジで?!」
「誰?!」
「え、え、あのぉ隣のクラスの翔くん」
「え?そんなひといたっけ?」
「ハンドボール部だよ?」
私の好きな人と真木の好きな人同士は仲がいい。
「あのぉ、青の服着てる人」
「あぁ!あの人ね!全然知ってたわ!」
「かっこいいんだよねぇ」
「確かに」
話していると部活が終わってかなたと翔が話しながらこっちに向かってきた。
「あ、!芽良〜!」
かなたが大声で私の名前を呼んだ。
「…!?まずい!」
私の体全身の血が逆流して心臓が早くなっている。
「あ、あのね、これは、、、」
真木を方を見ると真木は私の好きな人と肩を組んで話していた。
「え、?は?え?」
逆流していた血が戻ってきた。
私は意味がわからなくなった。
「ねぇ?どゆこと?」
かなたの話を無視してつい二人が話してるところに割り込んでしまった。
「え?あぁ!ごめんごめん!翔はね家が隣で、お母さん同士が仲良いんだよ!勘違いしちゃった?ごめんね!」
「なんだ、、びっくりした。勘違いしてごめんね」
「芽良?」
「あーごめんごめん早く行こ」
わたしには癖がある。それは男の人が隣に来ると少し照れてしまうことだ。
逆に真木の方は少し口調が強くなって話す。
「そういやぁさ、後ろの真木さんと翔、仲良いんだな」
「なんか親同士が仲良いんだってよ」
「ふぇー、」
今、私の好きな人は真木と歩いていて、真木の好きな人は私と歩いてる。
なんか、複雑だ。
意外に近寄れそうで近寄れない。
「恋ってむず」
「え?!お前好きな人いんの?」
つい口に出してしまった。
すると後ろにいた私の好きな人が話しかけてきた。
「え、!芽良さん好きな人いるの?!誰誰?」
「え、、?!あ、えっと」
「あれれ〜?何話してんの?」
真木が揶揄(からか)うように私に話してくる。
「う、うるさいよ!なんでもいいじゃん」
「やぁ、まさか芽良に好きな人がいるとは」
「うるさい!」
私の家についた。
かなたとは家が少し離れているため、ここでわかれる。
「またね」
「おう、じゃあな」
私の名前は真木
私の好きな人はかなたというスポーツができて優しい人だ。
さっき芽良の物語を読んでくれた人はきっとわかるだろう。
読んでもらった通り、私の好きな人のかなたは芽良と仲がよく、芽良の好きな人の翔は私と仲がいい。
「なな、翔」
「ん?」
「お前好きな人いる?」
「いるよ」
「誰誰?」
私はにやけながら翔の話を聞く。
「ここだけの話な」
そういうと、私の耳元で小さく「前にいる芽良さん」
と言った。
「えぇ!!!」
私はびっくりした。
前にいた二人も振り返ってこちらを見た
「あ〜、ごめんごめんなんでもない」
「お前マジ?」
「うん、だってかわいいやん」
「お前耳かせ」
私が翔の耳元であることを話す。
「お前、両思いだぞ?」
翔が固まった。
「ふっ、よかったな、なるべく早く告れよ、じゃねえと他のやつに取られるぞぉ〜」
翔の家に着いた。
翔の家と私の家はすぐ真隣だ。だからお互い家に入ると同時に別れの挨拶をする。
「はぁ、両思いかぁ」
一人になった私はなんか、寂しくなった。
「私の方はどうなんだろう」
ー次の日ー
「おはよー」
「あ、かなた」
「お!おはよ!」
「な、なぁ!かなた」
そう名前を呼ぶと不思議そうな顔でこちらを見つめる。
「あのさ、、す、」
「?」
「やっぱなんでもない」
「そう!じゃあまたな!」
そう言って隣のクラスにいる翔に喋りかけに行ってしまった。
「いま、何言おうとしてたの?笑」
「えー、好きってことを伝えようとした。」
私は芽良に正直に話した。
「ふーん」
ニヤニヤしながら私の顔見る。
「もういいよ!」
ー放課後ー
芽良と翔と私で帰る。
かなたは家の用事があるためこなかった。
「どうする?私の家くる?」
学校の近くにある公園のベンチに座って3人で話す。
もちろん、芽良と翔を隣に座らせて。
「あ、翔!ネクタイこうやってすこし緩めてみて」
すると翔はネクタイに手を当てて下にネクタイを引っ張る。
「うぎゃぁぁ!」
「え、なに?笑」
翔が困った顔をする。
芽良が私の方に倒れ込む。
「wwwwwwwwwww」
「家くる?笑」
「いいの?」
二人の声が揃って目を合わせた。
「おっと〜笑」
「早く行こっか」
「どうぞぉ〜」
私の家に二人が入る。
「お邪魔しまーす」
「ねね!真木!ギターあるよね?」
「あるけど、?」
「さわらして!」
「いいよ?」
私はギターを弾くことが最近の趣味になっている。
「翔も弾く?」
「いや、俺はいいや」
芽良がギターを弾いている右隣に翔がいて、私の目の前に芽良がいる。
「指痛い!もうやらない!」
「wwww飽きるの早w、じゃあ私ギター片付けてくるよ」
芽良が持っていたギターをもらい私の部屋に片付けようとした時、芽良と翔が隣で座っていた。
「…はよ付き合えよ!!」
私はその光景を見て黙っていられなくなった。
「え…?」
二人の顔が赤くなった。
「お邪魔しましたー」
翔が帰える。
「二人で見送るよ!」
翔を見送ったあと、芽良は私に言った。
「ねぇ、!あんなこと言うのやめてくれる?!」
「えぇ〜ごめんごめん笑」
「なんか、ありがとう!!」
「どっちだよwww」
芽良と私が私の家に戻る。
「いやぁ、次はかなたも誘うからね」
「wwwwwwはいはい笑」
「はぁ、恋って疲れる」
「でもその疲れはなんか好きになれない??」
「まぁね!」
二人の恋はまだまだ続きそうだ。
5/4/2025, 4:55:22 AM