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皺の刻まれた落ち葉たちが
コンクリートの床で終えていた。
きれいねってほめられていた
黄色の宝石だったものが
灰色の紙くずに成り果てて
人に蹴飛ばされたり
床のように踏み付けられたりしても
もう、
みんなの心には留まれない。

また葉っぱは生えるわ。
また春は来るわ。
また色は訪れるわ。
きっと
みんなは暖炉の朱色は好きだけれど
残った灰色の薪は好きでも嫌いでもない。
遺った粉を頬に寄せて
一人きりのこころに浸るのは
きっとおかしなこと。

いつかまた。
来年もまた。
ほんのちょっと
わたしが悲しむだけ。

11/18/2024, 2:52:48 AM