霜月 朔(創作)

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目が覚めると


誰よりも大切な貴方。
でも、貴方はここには居ません。
何時戻るか知れぬ貴方を、
私は、一人待ち続けるのです。

貴方との想い出の品を抱き締め、
一人、眠る夜は寒くて。
きつく布団を握り締め、
哀しみに囚われないように、
強く目を瞑るのです。

そんな日々が、余りにも辛くて。
私は友達に救いを求めました。

ある朝、目が覚めると、
私の隣には、貴方ではない他の人が居て。
眩しい早朝の光が差し込む部屋で、
静かに眠る友達を眺め、
私は、密かに涙を流すのです。

目が覚めると。
そこは、絶望的な現実の世界。
私は貴方の居ない絶望から逃れようと、
今宵もまた、救いの手を、
必死に探し、求めるのでしょうか。

貴方は、未だ戻らない…。
それでも私は、何時までも、
貴方を、待ち続けるのでしょう。





7/10/2024, 6:15:36 PM