『再開/出発』
「ここにいたんだね」
綺麗な花がたくさん咲き誇っている。そんな場所に彼はいた。
背に乗せて運んでくれた子にお礼を言う。その子は嬉しそうにくるると鳴いて小さくなった。
彼の隣まで歩き、腰を下ろす。
「久しぶりだね」
「…うん、久しぶり」
平静を装って話しかける。正直、聞きたいことはいっぱいあった。どうしていなくなったのか、どうしてあの時あんなことを言ったのか。どれから聞こうか考えていると、彼から質問が来た。
「どうしてここに?」
私は深く息を吸って口を開く。
「…貴方を探していたのよ。いくつもの地方を回ってようやく貴方に辿り着いた」
彼の表情は変わらない。
「ねぇ、覚えてる?前に貴方が私に言ったこと。"夢はあるのか"って聞いてきたよね。あの時は無いって答えたけど……私、夢が出来たの」
立ち上がり、彼の前に立つ。見上げてくる彼に向かって手を伸ばした。
「ねぇ、私と一緒に夢を叶えない?きっと楽しくなるよ!」
「…何故、ボクなんだい?君にはあの幼馴染や他の人たちがいるだろう?」
「ううん、貴方がいいの」
誰よりも平和を望む貴方だから。
彼はしばらく迷っていたけれど、引く様子のない私を見てため息をついた。
「…しょうがない。キミ1人じゃ危なっかしいからね」
眉を下げて笑う彼が私の手を掴んだ。嬉しくなった私は勢いよく手を引っ張る。よろけながら彼も笑った。
「もう"サヨナラ"なんて言わせないから!」
【君と一緒に】
1/6/2026, 12:05:37 PM