夏の雨

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「神様なんて居ない。」
「え………」
友人が突然家に来てそんな事を言った。
俺は宗教に入っていた。
周りから胡散臭いだとか言われていたが自分はこれっぽっちも気にしなかった。クラスの皆には気味悪がられ、誰も俺に話しかけなかった。
ただ1人を除いて。
俺はこいつがたった1人の友人だ。ずっと俺に話しかけてくれたのに。
「違う。神様は、居るんだよ。」
「お願いだ!あの宗教をやめてくれ!」
「なんで…なんでそんなこと言うんだよ…」
信じてたのに。
「あの宗教は…」
「五月蝿い!お前に…お前になにが分かるんだよ!神様を信じない悪魔のお前に…!」
「分かんねぇよ!!
そりゃあ友人なんだからお前が神様を信じようといい。でもあの宗教は駄目だ!」
「っ……なんで俺が入ってる宗教は駄目なんだよ」
俺が聞くと、1つ息を吐いてから告げた。
「あの宗教に入っていた人達が…テロを起こしてまだ建物に閉じこもっているんだ!このまま放って置くとお前まで巻き込まれるぞ!」
「…そんな情報、」
「テレビとかインターネットにいくらでも載ってる!だから…お願いだ。やめてくれ。」
「そんな…だって………」
「もうその宗教に行くな。俺の家に来い。」
そんなの嫌だ。そう声を出そうとしたが、体は不思議と友人に着いていっている。
「………」
「神様は居ないなんて言って悪かった…」
「……」
「多分あの事件を聞きつけて宗教の人達が避難させようとしてお前も警察に行っちゃうんじゃないかって…ほんとにすまん。」
「…」
ごめん。そう言いたいけど、言えなかった。

友人の家に行くと、テレビが付いており俺が入ってる宗教団体の事が取り上げられていた。
「…ほんとだ。」
「だろ?だから…あの宗教だけはやめてくれ」
「………わか、った。」
そう返事をすると、彼はにこっと微笑んだ。
俺は…間違ってたんだな。それを彼は助けてくれた。
「その……」
「ん?なに?」
「えっと…あ、ありがとう…」
「ふふっ。あったりまえよ!」
「っ!」
俺が拝んでいた神様は違う…これこそ神様だな…。
「俺にとっての神様」だな。
俺が口角を上げると、彼はまた微笑んだ。




神様へ、ありがとう

#神様へ
頑張って死ネタじゃないようにしようとしたら可笑しくなった。
主人公は、元々神様と言うものに惹かれてて、すぐに神様というものを追い求めてしまう設定です。
誰か文才Please!

4/14/2023, 11:10:24 AM