無気力

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「はい、じゃあ皆手を繋いでお散歩に行くよー」
隣にいる子と二人一組で手を繋ぐ。


「皆さん入学おめでとうございます。体育館に移動するので、隣のお友達と手を繋いで並んでください」
「さとしくん、おなじクラスだったね」
「うん、あいちゃんといっしょでよかった!」
そう話しながら手を繋ぐ。


「それでは、式が始まるので体育館に移動します。2列で並んでください」
「ねえねえ、さとし、最後までクラス一緒だったね」
「中学も3年間、またあいと同じクラスかもな」
そう話しながら並んで歩く。


「あい、クラス違ったな」
「残念だわ。来年はさとしと一緒でありますように」
話し終わるとそれぞれのクラスに入っていく。


「結局一回もならなかったね」
「高校は一緒だけど、人数多いからな」
二人並んで帰る。


「さとし!教科書貸して!」
「おお、何のやつ?」
「なあなあ、あいつら付き合ってるの?」
「そうじゃね」


「あっ、さと、須藤!なかなか会わなくなっちゃったね」
「そうだな、部活忙しいよな」
「おーい、須藤行くぞー」
「今行く。じゃあまたな、中島!」


「中島、進路どうするの?」
「私はデザインの専門かな」
「この辺無くね?」
「うん、だから一人暮らしかな。須藤は?」
「俺は考え中かな…」


「まさか須藤が近くの大学だとは思わなかったよ」
「まあな」
「せっかくなら同じ所で部屋借りようよ!」
「飯係やらせようとしてるだけだろ」
「バレたかー」


「ほら!あい、飯!」
「さとしー、ありがとー」
「課題が忙しくても食べなさいよ」
「美味しい!もう養ってー」
「いいよ、卒業したらな」
「えっ!?」
「久々に実家帰って挨拶しないとな。ほら、飯食っちまえよ」
「ええぇっっ!」

『距離』

12/1/2022, 10:04:52 PM