いつも視線のやり場に困る。目は口ほどに物を言うらしいから。誰でもそう簡単に胸の内を悟られたくはないだろ?でもこの時期はその小さな悩みが一つ消える。ただひたすら桜を眺めて歩けば良いのだから。変化に対する期待や不安だとか、桜の儚さに滲む哀愁だとか。皆似たような思いであの木を見ていると、きっと誰もが思っている。それを利用し、桜に見惚れた振りをする。誰にも何も悟られまいと。
4/4/2025, 3:30:00 PM