彗星

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題:白いマーガレットに誓って

「どうして花壇に?」
 放課後、リンクさんを花壇に呼んだ。
 ここの花壇は私のお気に入りの場所である。レースが終われば門限ギリギリまでここに入り浸っている(よくジュゲムさんに注意されますが)。
 だからリンクさんもここが私のお気に入りであることを知っている。
 そこで私は、花壇に植えられていた白いマーガレットをとって花占いを始めた。
「好き、嫌い、好き、嫌い……」
 実はリンクさんに告白しようと思ってここに呼んだのだ。そして、花占いで『好き』が出たら告白するつもりだ。
 ーーでも、『好き』が出るのは確実だから。
 だって、マーガレットの花びらの枚数は奇数だから、最初に好きと言えば確実に『好き』が出る。
「え、急に花占い始めてどうしたんですか?」
 まだ気付いてないみたい。リンクさんって意外に鈍感?
「……好き」
 ーー告白する心の準備はできている。
 この想いを、言葉にするだけーー。
「リンクさん、好きです」
 リンクさんの顔を見ていなくても、リンクさんが赤くなっているのが分かる。
 私の顔も熟れたリンゴくらいになっているのだろう。
「え、えっと……」
 リンクさんが言葉を紡ぐ。
「……俺も、好きです……」
 その一言で、視界が滲む、ぼやける。
 涙が止まらない。
 リンクさんがそっと私の手を握る。
 ーー大好き。

お題『好き、嫌い、』

6/20/2025, 12:08:58 PM