一緒に暮らすようになって、初めて迎える新しい季節に合わせた買い物をしようと休みを合わせた。
「やっぱり、夏に向けて冷感の寝具が欲しいですね〜」
「そうだね。せっかくなら足りない物を一通り揃えよう!」
「はい!!」
嬉しそうに微笑む恋人は、ぱたぱたと走ってくるりと振り返る。
「危ないよ、周り見てね」
「うふふ、はーい」
青年も軽く走り、楽しそうにしている恋人の手を握る。
「つかまえた」
「ふふ、つかまっちゃいましたね」
青年もつられて笑顔になった。
「まずは寝具」
「うん!」
ふたりで寝具コーナーに向かうと、色とりどりの寝具が並んでいた。
「どの色がいい?」
青年は挑戦的に彼女に微笑む。
その挑戦を受けるように、彼女も微笑んだ。
「もちろん……」
「「水色!!」」
声が重なった。
クリームソーダだけじゃなく、ふたりを近づけたきっかけのひとつは、好きな色が同じだったこと。
青年は、恋人がどう答えるか分かっていて聞いた。もちろん、彼女もその事を分かって答えた。
ふたりの部屋は、白を基調にしつつも水色をメインにしたものなのだから。
おわり
お題:好きな色
6/21/2024, 10:56:14 AM