2人だけの秘密。
「寮長室前での会話は君と2人だけの秘密にしよう。」
寮長はにこっと笑った。
ただ1人、怯える美鳥を置いて。
「嫌だ、なんで、嘘だ、私が…そんな」
「美鳥瀬奈、恥を知りたまえ」
美鳥の手を力づくで寮長は引っ張り、寮長室へと美鳥を引き込んだ。
「君はもう、帰りなさい、また、明日魔女狩りが始まるから」
もうその目は笑っていなかった。
「待ってください、」
変なタイミングだったが、ここで言うしかないと思った。
「寮長がそこまで嘘にこだわる理由は何ですか」
もう怖いものなんてなかった。
寮長は眉をぴくりと動かし、黙ったまま寮長室に消えてしまった。
「え、ま、寮長!」
また扉の向こうで立ち尽くさなければならなかった。
足が自分の部屋へと動こうとしない。
言うことを聞かない。
もう、魔女になってしまいたかった。
5/3/2026, 12:02:02 PM