ミヤ

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"燃える葉"

燃える葉……。

よもぎの葉裏の繊毛を精製したものをもぐさといい、お灸に使用されるんだけど、
一説では"よく燃える草"から"善燃草(よもぎ)"、
"燃え草"から"もぐさ"と呼ばれるようになったらしい。
もぐさのことを"指燃草(さしもぐさ)"とも言い、これは有名な和歌にも詠まれているから知っている人は多いんじゃないかなぁ。
『かくとだに えやは伊吹の さしもぐさ 
さしも知らじな 燃ゆるおもひを』てやつね。

他には、『契りおきし させもが露を 命にて
あはれ今年の 秋も去ぬめり』とか。
"させもが露"で"よもぎの露みたいなありがたい言葉"と訳しているものが多いのかな。
維摩講の名誉ある講師役としてどうぞ息子を選んで下さいとお願いして、その際に貰った言葉が
"しめぢが原"。
これは、『なほ頼め しめぢが原の さしも草 
われ世の中に あらむ限りは』という歌を下敷きにした言葉で、"大丈夫、任せておけ"と言われた感じ。
でも実際には選ばれてなくて、それを恨みに思って詠まれたのがこの歌。
親馬鹿というか、息子おもいというか。
憖っか歌が良かったばかりに根回ししようとした事実が後世に残ってしまったんだから、なんだかなぁと思ってしまう。


ちなみに、よもぎと聞くとよもぎ餅のイメージで春って感じがするけど、花は秋に咲くし、環境によっては紅葉もするらしいね。

10/7/2025, 4:25:38 AM