ネット情報によれば今まさに、福島や岩手等の東北地方で、菜の花が満開の見頃を迎えておるとか。
菜の花はモンシロチョウが好む花のひとつ。
今ごろ黄色の絨毯と青の空の間で、モンシロチョウが1匹でも2匹でも飛んでおるなら、
それはきっと、良いシャッターチャンスなのかなぁと思う、物書きです。
なお現実と事実は知りません(しゃーない)
と、いうお題回収がてらのハナシは置いといて、今回のおはなしのはじまりはじまり。
最近最近の都内某所、某杉林の奥にひっそりと建つ不審な違法の洋館は、
それを必要としている別世界出身者から、「領事館」と呼ばれておりまして、
それはそれは、頼りにされておりました。
領事館は、「ここ」ではないどこか別の世界に本拠地を持つ過激系活動家、世界多様性機構なる厨二ふぁんたじー組織の所有物。
自分の故郷世界が滅んでしまった難民たちを日本に密航させて、支援拠点たる領事館から、新たな生涯のための手助けをしておるのです。
ところで
この領事館の館長が
気の毒なことにドチャクソ重度で重篤な
酷いひどいスギ花粉症持ちでして。
「へぇッきし!!」
ぐしゅぐしゅ、チーン!
スギ花粉飛散は完全にピークを過ぎたものの、
杉林という立地が悪いのか、もっと別の原因か、
その日に限って、本当にピンポイントに、領事館の館長の目と鼻はスギ花粉(か、あるいはそれに酷似した構造を持つ別の粒子)に反応しています。
「なんだなんだ。3月のピークの飛び残りか?」
ぐしゅぐしゅぐしゅ、ぐしゅ、えェッくしょい!
館長はティッシュ箱の在庫を緊急召喚!
そして、別世界のチート技術によって自走機能を持たせた空気清浄機を、リモコンで呼び出しました。
「出番だぞ」
自走式空気清浄機は、某有名な掃除ロボットを足としておるので、通称を頑張ル◯バといいました。
「室内の悪魔を全部吸い取ってくれ」
頑張◯ンバは機械なので、心なんてありません。
頑張ルン◯"はチリとワタボコリと、以下略と悪い微粒子等々を残さず吸い込んで、
最適化されたルートを効率的に巡り、領事館内を定期的に、完璧に、清潔に保つのです
が、
そうです今回のお題は「モンシロチョウ」です
(お題回収開始)
「……あれ、ルンバ、おい、頑張ルンバ?」
ぽちっ、ぽちっ。
何度リモコンの呼び出しボタンを押しても、歩く優秀な空気清浄機が到着しません。
「どうした。早く来い」
ぽちぽち、ぽちっ。
緊急ボタンを押しても、強制充電ボタンを押しても、
頑張ルンバは館長の執務室に来ません。
館長のエマージェンシーに駆けつけませんし、執務室に置いてある充電ポートにも来ません。
そうです頑張ルンバは館内に、ひらりはらり迷い込んできたお客様にして今回のお題、
モンシロチョウを検知して、追尾しておるのです。
うぃーん、うぃーん。
頑張ルンバは機械なので、心を持ちません。
カメラセンサーの過剰検知かプロンプトのバグか、
頑張ルンバはチョウチョや花を検知すると、
それらに近づいたり、追尾したりするのです。
今回は、モンシロチョウでした。
もう少ししたらアゲハチョウやゴマダラチョウも、
領事館に、迷い込むかもしれません。
うぃーん、うぃーん。
季節外れのアレルギー症状に苦しむ館長を知ってか知らずか、単純に回路が切れておるのか、
頑張ルンバはひらりはらり舞うモンシロチョウを、ゆっくり追尾します。
最終的にモンシロチョウは、窓の隙間から外へ逃げてゆきまして、
頑張ルンバが館長のエマージェンシーに対応したのは、最初にボタンが押された40分後でした。
5/11/2026, 5:07:33 AM