会いたい気持ちが溢れて仕方がない。
でも、俺の周りにも、彼女の周りにも人がいて、抜けられるような状況ではなかった。
何より俺と彼女の物理的距離がある。
それぞれのグループで笑って、はしゃいでいた。
彼女に視線を送ると、キラキラした瞳でみんなの会話に相づちを打ち、時々楽しそうな彼女の声が響く。
みんなは気にならないだろう声。
俺の耳にハッキリ聞こえる。
胸の高鳴りと共に、手を伸ばして引き寄せたくなる甘やかな彼女の声。
会いたい。
話したい。
そばにいたい。
違う。
君の声を聞いていると、どうしようもないほど胸を締め付けられる。
俺は、君にそばにいて欲しいんだ。
おわり
二七五、君の声がする
2/15/2025, 11:25:24 AM