キンモクセイ
いつからか 秋になると
キンモクセイが騒ぎ出す
それも自然のそれではなく
市販のそれだ
キンモクセイのビジネス化とともに
街にあるキンモクセイは
なにやら
ステータス感を増したかのように
今年も秋になると香り出す
まるで、私が本物のキンモクセイですよ
と言わんばかりに
年配の方にはトイレの香りだと言う人もいるようで
賛否両論のある香りのようだ
香りというのは、繊細なもので
誰かが好きな香りを嫌いと言われると悲しい
個人的には
あまり好きでない人がその香りを身に着けていたりすると
そのブランドまで嫌煙してしまうものだから
やっかいなその性格に笑いながら
また自分の香りを探しに行くのだ
キンモクセイ
ネロリやバニラとはまた違う
木の穏やかさと、甘やかな香りは
最後の秋を彷彿とさせる
これから来る冬を前に
今年あった出来事を次々に思い出す
本当の実りとはなんだったのか
自分の中の総決算のような香りと私は認識している
11/4/2025, 2:19:53 PM